今、このレシピ vol.
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コノシロの押し寿司
米飯と魚介類を組み合わせて作る日本の料理お寿司。最近では和食が世界遺産になった影響からか外国人の方にも知られ、日本=寿司というイメージもある程です。
しかし、もともとの起源は日本ではなく、東南アジアの山地の民族が行っていた米の中に魚を漬け、発酵させた保存食「熟れ鮨」を作ったのがお寿司の起源とされます。これが奈良時代に中国から日本に伝わったのがはじまりです。
この「熟れ鮨」は保存が効き、また健康効果も注目され日本中に広まりました。しかし、それだけではなく魚と米が酸味と旨味で美味しくなることを知った日本人は、ここから日本独自の「お寿司」へと進化させていきます。そして何百年という歳月を経て今のお寿司の形が完成しました。
しかしながらお寿司といえど偏に「握り寿司、チラシ寿司…」色々な種類のお寿司があります。その中から今回は愛媛県西条市の郷土料理「押し寿司」を紹介していきます。
押し寿司は「お正月、節句、船おろし(進水式)、結納」など行事の際に、一人分づつお皿に盛って振舞う、お祝いの食べ物として食べられてきました。緑、赤、青といった色鮮やかな見た目の食材がごはんの上にあふれんばかりに沢山乗っているなんとも贅沢な逸品です。名前の由来は木型で押しぬいて作ることからこの名がつきました。東予地方ではコノシロを始めサヨリ、サワラ、ハモなど旬の魚を使用し今でも作られている伝統的な料理です。
今回はフレンチ風に食材を飾り付けました。是非、一度家族みんなが集まるこの新年の機会に作ってみませんか?
◎材 料
<3人分>
<酢飯>
米 | 2合 |
すし酢(市販品) | ご飯2合分 |
<具材>
コノシロ | 1尾 |
酢 | 適量 |
塩 | 適量 |
干ししいたけ | 2枚 |
すき焼きのタレ | 適量 |
① 卵 | 2個 |
① みりん | 10cc |
① 塩 | 1g |
にんじん(混ぜる用:短冊切り) | 60g |
にんじん(飾り用:花形) | 9枚 |
きぬさや | 6枚 |
オクラ | 2本 |
大葉 | 3枚 |
いくら | 大さじ3 |
エビ | 3尾 |
エビそぼろ | 適量 |
めんつゆ | 適量 |
◎作り方
<コノシロ酢〆>
- コノシロを3枚におろしきれいに洗い、3時間ほど塩に漬ける
- 塩を酢で洗い落し、身が隠れる程度の酢に2日漬ける
<押し寿司>
- 米を洗い、少なめの水分で炊く
- 水で戻した干ししいたけを薄切りにし、すき焼きのタレで煮る(お好みの味に合わせてタレの濃さを調節してください)
- ①の材料で錦糸卵を作る
- にんじん、きぬさや、オクラを茹で、めんつゆに漬けておく
- エビを塩ゆでする
- 炊きたてのご飯にすし酢を合わせ酢飯を作り、具材(にんじん)を混ぜる
- 酢飯を型に詰めて抜き、具材を飾る
甘めの味付けが「西条風」です。
お好きな食材を盛り付け、お好みの押し寿司にアレンジしてお召し上がりください。